日本畜産学会報
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鶏における代謝エネルギー測定法の検討
供試原料の基礎飼料との代替率および鶏種が代謝エネルギーに及ぼす影響
土黒 定信武政 正明
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1987 年 58 巻 8 号 p. 676-680

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抄録

著者らは前に代謝エネルギー (ME) 測定用基礎飼料として標準的な実用飼料を推奨した. 本研究は通常の飼料原料のMEを測定する場合, 原料の基礎飼料との適正代替率を究明するために行なった. また, 鶏種により飼料のMEに差異があるかどうかについても若干の検討を行なった. 1. 代替率: トウモロコシと大豆粕を主体とする標準的な幼雛用飼料を基礎飼料に用い, トウモロコシ, 大麦, 脱脂米ヌカ, 大豆粕, ナタネ粕, 魚粉の6種類の飼料原料について, 基礎飼料との代替率を穀類では20, 40, 60%, 脱脂米ヌカでは15, 30, 45%, 蛋白質飼料では20, 30, 40%の3水準とし, 幼雛を用いてMEを測定した. その結果, いずれの原料のME価も代替水準間に有意差が認められなかった. しかし, 原料の代替率が低いとME価の変動が大きくなった. 信頼性の高いME価を得るためには40%以上代替することが望ましいと結論された. 2. 鶏種差: 白色レグホーン種とブロイラー種の幼雛を用い, 以上の実用の基礎飼料とこの50%を普通裸麦または高蛋白裸麦により代替したもの, および基礎飼料の8%をタローにより代替したものを給与してMEを測定した. 配合飼料および原料 (裸麦, タロー) のME価は鶏種間に有意差が認められなかったが, タロー配合飼料とタローのME価は白色レグホーン種がブロイラー種に比べて若干高い値を示した.

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