1974 年 45 巻 6 号 p. 334-338
赤クローバーサイレージ熟成中における糖の変化を明らかにする目的のもとに,グルコース2%添加赤クローバー5gを14C-グルコース10μCiとともに16×160mmの試験管に真空下で貯蔵した際の14Cの動きを35日間にわたって追った.その結果,35日の期間中に14C-グルコースの60~80%が分解されたが,そのほとんどは4日以内に行われた.有機酸分画の放射能は2~7日目に最高値を示し,とくに活発な発酵を示したサイレージ(pH3.9)では添加14Cの約50%がこの分画中に検出された.そら以後の有機酸分画中の14Cはむしろ減少し,35日目には10~30%が検出されたにすぎなかった.他の分画中への14Cのとりこみも4日以内に急激に起こり,以後は緩慢であるかあるいは減少した.35日目には添加量当り,揮発性脂肪酸中に5~10%,発酵ガス中に20~30%,アミノ酸分画中に2~3%,沈澱中に2~4%の14Cが検出さられた.