園芸学会雑誌
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植物成長抑制物質および断根処理が夏季高温下における水耕トマトの生育および収量に及ぼす影響
浅尾 俊樹伊藤 憲弘細木 高志太田 勝巳遠藤 啓太
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1996 年 65 巻 1 号 p. 89-94

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抄録

水耕トマトを夏季高温期に育苗した場合,苗の徒長,着花節位の上昇,それによる収穫期の遅延などが生じる.そこで本研究では,夏季高温期の影響を少なくするために,本葉2枚展開時に植物成長抑制物質(ウニコナゾール1.25および2.5ppm,パクロブトラゾール12.5および100ppm)の葉面散布ならびに断根処理を行った.
1.トマト苗が徒長しやすい夏季高温期であっても,植物成長抑制物質および断根処理により植物体の成長が抑制され,育苗期の栽植密度を高めることが可能であった.
2.処理により着花節位は下がり,開花開始日は早くなった.
3.本葉2枚展開期に処理した植物成長抑制物質の茎長の抑制効果は,第2花房まで及んだ.
4.処理により第1花房の収穫開始日は早くなったが,第2花房は対照区と変わらなかった.
5.果実の糖度および1果重は,処理によりほとんど変わらなかった.
6.第1,2果房の合計収量は,断根処理区でやや多く,ウニコナゾール2.5ppm処理で対照区と同等であった.
7.植物成長抑制剤処理により,初期収量が増加した.

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