園芸学会雑誌
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未熟•成熟ファレノプシス株の開花に及ぼす日長と温度の影響
米田 和夫百瀬 博文窪田 聡
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1991 年 60 巻 3 号 p. 651-657

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抄録

未熟および成熟したファレノプシス株の花茎発生ならびに開花に及ぼす日長と温度の影響を調べるため,人工気象室を利用して, 1986年は28°と23°C, 1987年は28°と22°Cによる温度処理と, 8時間日長 (9am~5pm) と自然日長の日長処理を組み合わせ実験を行った.
1. 1986年の花茎発生率は, 未開花株の23°C8時間区は自然区に比べて高く, この傾向は開花株でもほぼ同様であった. 未開花株の28°C自然区では花茎は発生しなかったが, 8時間区はわずかに発生し, また, 開花株でも自然区より, 8時間区がやや高かった. 1987年においては, 28°Cで, 株齢や日長処理によっても花茎が発生しなかった以外は, 花茎の発生傾向は1986年の場合とほぼ同様であった.
2. 未開花株の22°および23°C8時間区の開花率は自然区に比べて高く, 平均到花日数は少なかった. 開花株でも未開花株と同様であった. 両年とも28°C区は処理に関係なく開花は認められなかった.
3. 花茎発生節位は日長処理, 温度処理や株齢に関係なく, 第4~5節位からの発生が多かった.
4. 開花株は未開花株に比べて日長の影響が比較的少なかった. また, 未開花株より開花株において花茎は伸長した.
5. 小花数は22°および23°Cの未開花株8時間区は自然区よりやや多く, この傾向は開花株でもほほ同様であった. また, 未開花株は開花株に比べて小花数は少なかった.

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