園芸学研究
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育種・遺伝資源
試験管内コルヒチン処理によるカキの十二倍体作出とその生育特性
千々和 浩幸桒原 実平川 信之白石 美樹夫藤島 宏之
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2011 年 10 巻 3 号 p. 309-314

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抄録

カキの十二倍体を作出するため,六倍体完全甘ガキ間の交雑実生の染色体倍加を行った.試験管内で交雑実生の茎頂部に,コルヒチンを0.03~0.05%の濃度で12~24時間処理することで,効率的に染色体倍加ができた.コルヒチンで染色体倍加した十二倍体個体は,樹勢の弱いものが多かったが,一部には生育が比較的良好なものもあった.これらは,交雑親と比較して気孔密度が低く,孔辺細胞が大きかった.十二倍体個体は六倍体個体と比較して花蕾の着生率が低かったが,雌花と雄花を着生する個体が得られ,その花粉は発芽することが確認されたことから,これらは九倍体完全甘ガキ育種のための母本となるものと考えられた.

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© 2011 園芸学会
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