肺癌
Online ISSN : 1348-9992
Print ISSN : 0386-9628
ISSN-L : 0386-9628
無作為化比較試験による非小細胞肺癌切除例に対する術後補助化学療法の有用性の検討
Kazuo Kunishima
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 32 巻 4 号 p. 481-488

詳細
抄録

肺癌手術補助化学療法研究会 (中部) は, 非小細胞肺癌切除例に対する術後補助化学療法の有用性を評価するために, MMC+CPA+FT (A群) と手術単独 (B群) の2群による無作為化比較試験を行った.306例が登録され, そのうちの適格例282例を解析対象とした.両群の5年生存率および5年無症候率には有意差は認めなかった.しかし, 予後因子の検討で最も有意な因子であったpNにおいてA群に有意に進行した症例が偏っていたため, Coxの比例ハザードモデルにより補正を行った結果, 5年生存率, 5年無症候率ともにB群に比しA群が有意に良好であった.以上により, 本術後補助化学療法の有用性が示唆された.

著者関連情報
© 特定非営利活動法人 日本肺癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top