呼吸臨床
Online ISSN : 2433-3778
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特集
【特集】遺伝子診断を加味した画像診断 EGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の画像的特徴
長谷川 瑞江酒井 文和
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キーワード: EGFR遺伝子変異, CT, 肺癌, 腺癌
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2018 年 2 巻 8 号 論文ID: e00047

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抄録

EGFR遺伝子変異の有無により,肺癌,特に肺腺癌の治療方針や予後は大きく異なる。近年,EGFR遺伝子変異と肺腺癌のCT画像での特徴についての論文がいくつか報告されており,原発巣周囲のすりガラス陰影や収縮傾向,多発肺内転移がEGFR遺伝子変異肺腺癌で多く認められる所見であることを指摘している。同様に,ALK融合遺伝子やRET融合遺伝子,さらにPD-L1陽性肺癌などについても,その画像所見についての研究が報告されている。CT所見である程度の遺伝子変異やPD-L1発現の有無が予測できれば,より早い段階で検査計画や治療方針を検討することが可能であり,臨床的に有用である。一方で画像所見というきわめてマクロなデーターと遺伝子レベルでの異常が真に関連性をもっているのかどうか,いまだ明らかではない。現在までの報告に関しても,その研究コホートの違いなどが原因と考えられる差異があり,必ずしも一致する結果ではない。本稿では,過去に著者らが報告した自験例とともに現在までに報告された研究と比較しながらEGFR遺伝子変異陽性肺腺癌の画像的特徴と問題点について解説する。

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