日本保健科学学会誌
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統合失調症者,精神障害者家族会会員,一般住民のQuality of lifeの比較
國方 弘子中嶋 和夫沼本 健二
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2008 年 10 巻 4 号 p. 249-255

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抄録

本研究の目的は,統合失調症者,精神障害者家族会会員,一般住民のQOL値を比較検討することである。対象は,在宅生活をしながら病院のデイケアに通所している124名の統合失調症者,315名の精神障害者家族会会員,中小企業に勤務する172名の一般住民であった。QOLの測定は,WHOQOL-BREFの日本語版(WHOQOL-26尺度)で行った。分析は,まず,WHOQOL-26尺度の本対象における構成概念妥当性を検討し,次いで3つの群のQOL値を分散分析を用いて比較した。結果,身体的領域と社会的関係のQOL値に有意差があり,統合失調症者が最も低かった。統合失調症者が有意に高い項目は,「健康と社会的ケア:利用のしやすさと質」であった。逆に,低い項目は「医薬品と医療への依存」と「性的活動」であった。この結果は,ノーマライゼーションの視点を加味した上で,考察された。

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2008 日本保健科学学会
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