鉄と鋼
Online ISSN : 1883-2954
Print ISSN : 0021-1575
ISSN-L : 0021-1575
MgO飽和CaO-FetO-SiO2-P2O5-MnO系スラグ-溶鉄間のりん分配
水渡 英昭井上 亮
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 70 巻 2 号 p. 186-193

詳細
抄録

本研究で得られた結果を要約すると以下のとおりである.
1) CaO-MgOsat.-FetO-SiO2-P2O5系スラグ-溶鉄間のりん分配比のデータから次の3つの脱りん関係式を導出した.
a) logkP=0.145{(%CaO)+0.3(%MgO)-0.5(%P2O5)}+22 810/T-20.506
b) logkP=7.87 log{(%CaO)+0.3(%MgO)-0.05(%FetO)-0.5(%P2O5)}+22 240/T-27.124
c) log(%P)/{[%P]・(%T.Fe)5/2}=0.0720{(%CaO)+0.3(%MgO)+0.6(%P2O5)}+11 570/T-10.520
2) CaO-MgOsat.-FetO-SiO2-P2O5-MnO系スラグ-溶鉄間のりん分配比のデータから上記1)項の3つの式の右辺第一項の(%MnO)の係数を求めた.その結果,a),b),c)式共その係数は0.6となつた.
3) CaO-MgOsat.-FetO-SiO2-P2O5系スラグのP2O5の活量係数の対数はTURKDOGANとPEARSONの関係式を用いて次式で与えられる.
logγP2O5=-1.02(23NCaO+17NMgO+8NFetO-26NP2O5)-22 990/T+9.490
さらにCaO-MgOsat.-FetO-SiO2-P2O5-MnO系スラグについてのデータから上記の右辺第一項のNMnOの係数は13と求められた.
4) CaO-MgOsat.-FetO-SiO2-P2O5系スラグのFetOの活量係数の対数は重回帰解析の結果,SiO2のモル分率に相関があることが明らかとなつた.logγFetONSiO2,との関係のプロットにおいてP2O5濃度の増加によりlogγFetOは増加した.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本鉄鋼協会
前の記事 次の記事
feedback
Top