西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
牛肉による遅発型アナフィラキシー
本田 由美山本 真有子中島 喜美子千貫 祐子佐野 栄紀
著者情報
ジャーナル 認証あり

2015 年 77 巻 5 号 p. 453-455

詳細
抄録

67 歳,男性。子持ちカレイ,あるいは牛肉を食べた 4∼6 時間後に意識消失発作を起こしたエピソードがあり,精査目的で来院。抗原特異的 IgE 検査 (CAP-FEIA) で牛肉,豚肉がクラス 3,牛乳がクラス 2 と陽性。プリックテストで牛肉,豚肉,牛乳,ネコふけ,イヌふけで陽性反応を示した。ウエスタンブロット法により,患者血清中にセツキシマブに含まれる galactose-α-1,3-galactose 糖鎖エピトープを認識する IgE 抗体の存在が示唆された。以上より自験例を,α-gal 糖鎖を含むタンパク質に感作されたことによる遅発型牛肉アナフィラキシーと診断した。

著者関連情報
© 2015 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top