西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
症例
ウニ棘刺症
村上 義之寺尾 浩占部 和敬古江 増隆
著者情報
ジャーナル 認証あり

1998 年 60 巻 3 号 p. 340-342

詳細
抄録

16歳の男性。平成8年8月ハワイの海岸でウニに右手掌, 左第3指を刺された。帰国1週間後, 同部の腫脹, 疼痛, 手指の屈曲制限, 右肘リンパ節腫脹, 疼痛のため佐賀県立病院好生館皮膚科を受診した。直視下に多数の棘を抜去し, 抗生物質, 消炎鎮痛剤で約1週間経過を観察した。その後同部に紅色結節が出現したため副腎皮質ホルモン剤内服を短期間併用し, 症状の著明な改善が認められた。受診2ヵ月後右小指球部に1個結節が認められ, sea urchin granulomaの診断で切除をおこなった。病理組織学的には異物肉芽腫の像を呈し, 中から棘が出現した。X線による棘の残存を確認し忘れた反省をこめて同症例を報告する。

著者関連情報
© 1998 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top