西日本皮膚科
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治療
他剤無効足白癬に対する塩酸アモロルフィンクリーム(ペキロン®クリーム)の有用性
広島市皮膚科グループ
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1997 年 59 巻 6 号 p. 901-906

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抄録

塩酸ネチコナゾール(1群), ビフォナゾール(2群), 塩酸テルビナフィン(3群), 塩酸ブテナフィン(4群)のいずれかを2週間以上使用しても臨床症状が残存し, かつ直接鏡検により白癬菌を証明し得た足白癬症例(小水疱型, 趾間型)を対象に, 塩酸アモロルフィンクリーム(ペキロン®クリーム)の有効性, 安全性を検討した。総症例数121例中, 除外症例を除く84例を有効性, 有用性評価の対象とし, 安全性評価は113例を解析対象とした。最終菌検査結果と皮膚所見全般改善度から判定した総合効果判定は, 有効以上の症例数は小水疱型では44例中33例(75.0%), 趾間型では40例中34例(85.0%)であった。全体での有効以上の症例数は84例中67例(79.8%)であった。副作用は113例中1例(0.88%)に発現した。1∼4群における本剤の効果に統計学的有意差は認められなかった。以上の結果より, 塩酸アモロルフィンクリームは臨床の場で多く繁用されている外用抗真菌剤が無効であった症例にも, 有用かつ安全性の高い薬剤であることが認められた。

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© 1997 日本皮膚科学会西部支部
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