西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
統計
国立佐賀病院皮膚科における帯状疱疹患者の統計的観察
—疼痛の治療について—
宿輪 哲生
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 58 巻 3 号 p. 460-464

詳細
抄録

平成5年4月より7年3月までに国立佐賀病院皮膚科を受診した帯状疱疹患者75例について統計的観察を行い次の結論を得た。1) 男性:女性=2:3と女性に多く, 年齢別では60歳代が最も多かった。2) 躯幹上部, ついで躯幹下部, 下肢·臀部の順に好発し左右差はなかった。3) 78.6%の患者は発症より7日以内に受診していた。4) 46例(61.3%)に合併症を認め, 疾患別では肝疾患が最も多かった。5) 疼痛に対する中等度以上の改善率はアミトリプティリン80.9%, ノイロトロピン®72.7%, 柴苓湯45.5%であった。6) プレドニゾロン内服により16例中10例に中等度以上の改善を認めたが, 2例では投与後も強い疼痛が持続した。7) 発症より治癒までの期間は40歳以上で40日を越え, 加齢に従い長期化する傾向がみられた。8) 帯状疱疹の再発は4例(5.3%)にみられ, 再発までの期間は7ヵ月∼25年であった。

著者関連情報
© 1996 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top