西日本皮膚科
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治療
ざ瘡に対するバナン®錠の有用性と投与方法の検討
林 久赤沢 啓人池内 恒雄佐々木 司郎長江 哲夫福原 耕作武田 泰彦
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1995 年 57 巻 1 号 p. 143-149

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抄録

ざ瘡患者102例(男性23例, 女性79例)にバナン®(cefpodoxime proxetil, CPDX-PR)1日200mgを1日1回と2回の投与群にわけて投与し, 投与前, 1週間後に病変部の分離菌検査を行い, さらに投与前, 1週間後, 投与最終日に臨床効果を観察した。全般改善度でみると1回投与も2回投与も共に1週間後, 投与最終日に80%以上の改善率であった。有用性についても両投与法で有意差なく80%以上の結果であった。分離細菌の検出率は投与前63%, 1週間後46%で, 全分離菌のうちP. acnesSt. epidermidisがそれぞれ33%を占めた。MICでみるとP. acnesの87%が0.05μg/ml以下であり, St. epidermidisについても67%が0.78μg/ml以下であった。副作用は3例にみられ, 軽度の消化器症状を一過性に訴えた。以上の結果より, バナン2錠を1日1回夕食後に投与する方法はざ瘡に対して有効な治療法であると考えられた。

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© 1995 日本皮膚科学会西部支部
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