西日本皮膚科
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研究
慢性蕁麻疹に対する薬物療法の検討
古谷 喜義高路 修杉田 康志高橋 敦子山田 悟山本 昇壯
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1993 年 55 巻 1 号 p. 67-70

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抄録

広島大学医学部附属病院皮膚科を受診した慢性蕁麻疹患者の治療成績を検討した。1ヵ月以上治療し臨床症状を判定しえた慢性蕁麻疹患者457例の治療成績は以下のごとくであった。
1)457例全例にまずH1ブロッカー内服を試み, 348例(76.1%)に改善がみられた。
2)H1ブロッカーのみでは改善がみられずH1ブロッカーとH2ブロッカーの併用を試みた74例のうち37例に改善がみられた。
3)H1ブロッカーとH2ブロッカーの併用にても改善がみられず副腎皮質ホルモン剤の内服投与を試みた20例のうち19例に改善がみられた。
これらの結果は, 慢性蕁麻疹には異なる病態が存在し, それに応じた治療が必要であることを示唆している。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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