西日本皮膚科
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治療
Azelastine Hydrochloride(アゼプチン®)のそう痒性皮膚疾患に対する臨床効果
—アゼプチン®とステロイド外用剤の併用療法の有用性について—
西村 正幸木村 秀人駒田 信二伊藤 宏士高野 廣英宮野 辰彦波多野 裕敏
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1993 年 55 巻 2 号 p. 355-360

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抄録

Strongランク以下の外用剤による治療を受ける急性湿疹, 慢性湿疹, 貨幣状湿疹, 接触皮膚炎, 脂漏性湿疹およびアトピー性皮膚炎患者を対象として, アゼプチン®の併用薬としての有用性について検討した。上記のすべての疾患において, アゼプチン®併用群の改善率は非併用群に比べて有意に高く, 効果と安全性の点から本剤の有用性が確認された。他の湿疹·皮膚炎に比べて改善率が劣るとされるアトピー性皮膚炎においても, 本剤を併用することによりstrongランク以下のステロイド外用剤で良好な治療効果が得られる場合が少なくないことが示唆された。さらにstrongランクの外用剤単独の治療より本剤を併用したmildランクの外用剤による治療のほうが改善率が高く, ステロイド外用剤による副作用軽減の見地からも本剤が有用であることが示唆された。

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© 1993 日本皮膚科学会西部支部
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