西日本皮膚科
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症例
著明な好酸球増多を伴つた菌状息肉症
小野 雅史幸田 衞濱田 真世植木 宏明
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1990 年 52 巻 2 号 p. 275-278

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抄録

35才女子。扁平浸潤期に受診した菌状息肉症で, 初診後4年を経て腫瘍期となり, 急速に増悪した。同時に著明な末梢血好酸球増多(最高値: 白血球数124,000/μl, 好酸球89.5%)を生じた。好酸球数と皮疹および血清LDH値は平衡し, 治療にも反応を示した。末梢血像, 骨髄像による検索では好酸球の腫瘍化の所見はなく, また剖検でも寄生虫やアレルギー疾患の合併はみられなかつた。これらのことより自験例の好酸球増多は, 腫瘍細胞自体が好酸球の増殖を刺激した結果と推測した。

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© 1990 日本皮膚科学会西部支部
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