西日本皮膚科
Online ISSN : 1880-4047
Print ISSN : 0386-9784
ISSN-L : 0386-9784
研究
分化した単発性グロレス腫瘍における交感神経の分布
岸本 三郎秋月 みわ子奥田 良治筏 淳二
著者情報
ジャーナル 認証あり

1988 年 50 巻 5 号 p. 875-878

詳細
抄録

指尖に生じた単発性グロムス腫瘍の1例を経験し, 電顕的観察およびアミン湿式蛍光法で交感神経の分布を検討した。自験例は, 電顕的には細線維がたいへん豊富でdense bodyもみられ, 分化したグロムス腫瘍であつた。交感神経の分布は腫瘍間質には密に認められたが, 腫瘍実質にはほとんど認められなかつた。この分布は正常のグロムス器官の分布と類似していることや, すでに報告した未分化な単発性グロムス腫瘍の腫瘍実質内への密な分布などと比較検討すると, 腫瘍実質内への交感神経の分布と本腫瘍の分化程度は逆相関するものと考えられた。

著者関連情報
© 1988 日本皮膚科学会西部支部
前の記事 次の記事
feedback
Top