西日本皮膚科
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症例
多発性Bowen病に合併したEccrine Duct Carcinoma
—原因として砒素が疑われた1例—
赤木 理藤原 愉高金本 昭紀子
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ジャーナル 認証あり

1988 年 50 巻 1 号 p. 53-58

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抄録

右手掌にエクリン汗管癌, 躯幹·大腿に多彩な臨床像を示し組織学的にはBowen病様の病変が多発した60才女子の1例を報告した。掌蹠に角化をともなうこと, Bowen病の組織像を示す皮疹が躯幹に多発することから, 原因として砒素が強く疑われた。砒素による皮膚悪性腫瘍としては, エクリン汗器官系の悪性腫瘍はまれである。そのほか, ベンチジンも原因としての可能性を残した。

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© 1988 日本皮膚科学会西部支部
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