西日本皮膚科
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研究
外用コルチコイド経皮吸収による副腎皮質機能抑制の検討
―0.025% Beclomethasone Dipropionate 軟膏単純塗布の場合―
阿曽 三樹蓮尾 統子清水 康之三原 基之島雄 周平臼井 敏明河本 裕子
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1976 年 38 巻 5 号 p. 803-811

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抄録

汎発性尋常乾癬3例, 自家感作性皮膚炎2例計5例の患者に0.025 % beclomethasone dipropionate軟膏20~40 g/day(beclomethasone dipropionate 5~10mg/day)を単純塗布し, 血清11-OHCS値, 尿中17-OHCS値, 末梢循環好酸球数, 血糖値および尿中Na+排泄量を測定し経皮吸収による副腎皮質機能抑制の検討および臨床的観察を行なつた。血清11-OHCS値は自家感作性皮膚炎の1例で一時低下した。末梢循環好酸球数の減少と尿中Na+排泄量の増加を自家感作性皮膚炎の他の1例で認めた。その他の症例では, ほとんど不変であつた。臨床的効果は優れており, 従来の強いコルチコイド剤と同程度かそれ以上と思われた。0.025 % Beclomethasone dipropionate軟膏を20~40 g/day単純塗布した場合の経皮吸収による副腎皮質機能抑制はきわめて少なく, 臨床的効果は優れていた。

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© 1976 日本皮膚科学会西部支部
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