1975 年 37 巻 5 号 p. 785-795
皮膚と視床下部―下垂体―副腎皮質系機能との関連を検討して以下の成績を得た。ラットの副腎を摘出すると皮膚毛細血管抵抗(CR)は減弱し, 寒冷負荷皮温復元時間(RT)は延長し, 皮膚酸化還元指数(TRI)は上昇した。下垂体を摘出するとCRは強し, 皮膚は茶褐色化し, 乾燥して粗造となつた。家兎の視床下部を破壊するとCRは減弱, RTは延長, TRIは上昇し, 経過中に非特異的な一過性の紅斑と耳介の欠損を生じた。家兎をisolation環境下で飼育するとCRは減弱RTは延長し, 頸部, 四肢に脱毛と皮膚炎が生じたが, 再適応するにつれて, 皮膚生理機能は復元し, 皮膚炎症状は消失した。ラットはisolationにより一部に円形の脱毛病巣を生じた。