2004 年 70 巻 2 号 p. 175-178
キハダマグロ仔魚の生残に対する乱流の影響を調べるため, 水槽実験を行った。乱流強度は, 仔魚を入れた水槽でエアーストーンにより生じさせた気泡の量を変えることによって設定した。その結果, 仔魚の生残が良くなる最適な乱流強度が, キハダマグロ仔魚に存在することが分かった。この乱流強度は乱流エネルギー散逸率に換算して1~2×10-8m-2s-3程度であり, このことは赤道域に位置するキハダマグロ産卵場の表層混合層内が, 仔魚の生残に適した環境であることを示している。