日本水産学会誌
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神通川と庄川におけるサクラマス親魚の遡上生態
田子 泰彦
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キーワード: サクラマス, 遡上, , 滞留, 絶食, 性比
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2000 年 66 巻 1 号 p. 44-49

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抄録

北陸地方の神通川と庄川において, サクラマス親魚の河川への遡上と滞留状況を1991∿1995年に調べた。神通川への遡上は2∿6月であり, その盛期は5月にあった。遡上親魚の大きさは尾叉長58.5±4.9cm, 体重2.8kg±0.8kgで, 遡上親魚の74.7%を雌が占めた。庄川中流域における流し網による親魚の捕獲調査では, 96.4%の個体が淵で捕獲された。神通川で4∿6月に漁獲された個体の80.2%が空胃であった。これらのことから, サクラマスは河川に遡上後は中流域の淵に滞留し, ほとんど摂餌せずに越夏するものと推測された。サクラマス資源の効率的な増大のためには, 淵の保全・復元が極めて重要であると考えられた。

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