2014 年 80 巻 2 号 p. 222-232
ノリの色落ち原因珪藻 Asteroplanus karianus の出現動態と環境要因との関係を調べるため,2007 年 12 月から 2012 年 3 月に有明海佐賀県海域で,植物プランクトン組成および各種環境要因を調査した。また,高水温および低水温条件下における本種の増殖および発芽特性を室内試験で調べた。その結果,本種は冬季にのみ赤潮を形成することが確認された。また,本種の増殖速度は低水温よりも高水温条件下で高いことが確認されたが,底泥中の休眠期細胞が発芽に要する時間は低水温条件下で短いことが示唆された。