ウイルス
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総説
カベオラエンドサイトーシスとウイルス侵入
野村 隆士
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2005 年 55 巻 1 号 p. 19-26

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抄録

 カベオラがエンドサイトーシスを行う膜ドメインであるかどうかは,未だに議論されている問題である.しかし,Simian virus 40(SV40)の細胞内侵入のリアルタイムイメージング解析により,ウイルス侵入に利用されるカベオラエンドサイトーシスの詳細が明らかになってきた.SV40を内包したカベオラは,ダイナミン依存的に細胞膜からbuddingする.その後,SV40はカベオソームへ移動し,やがてERへと運ばれる.これに加えて,ヒトコロナウイルス-229Eも細胞内侵入にカベオラを利用することがわかってきた.本稿では,現在明らかにつつあるカベオラエンドサイトーシスを紹介し,ウイルス侵入との関わり合いを論じたいと思う.

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© 2005 日本ウイルス学会
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