2002 年 49 巻 p. 1471-1475
熊本港で最初に開発された潜堤方式のシルテーション対策工法がインドネシアのSemen Tuban港に適用された. 同事業の実施に平行して行われた有明海, 周防灘沿岸の港湾の底泥とSemen Tuban港の底泥との沈降特性比較試験では, インドネシア泥の方がはるかに高濃度浮泥層の持続時間が長く, 従って同一の経過時間でみた場合, その層厚も厚くなることがわかった. そこで, 潜堤の天端高を高くすることが浮泥流入の阻止機能の向上に有効かを数値計算, 水理実験で調べたところ, その有効性が確認された. 実際のSemen Tuban港では, 海底面から2mの高い潜堤 (熊本港では, 1~1.5m) が用いられ, 埋没が有効に阻止された.