土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
全球非構造格子モデルを用いた過去極端水位の長期評価
大畑 翔平志村 智也William PRINGLE宮下 卓也森 信人
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2022 年 78 巻 2 号 p. I_943-I_948

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抄録

 過去62年間の海面水位を全球で評価し,潮汐モデルと高潮モデルでそれぞれ独立に計算された水位を足すことで過去の極端水位を求めた.計算の入力条件には,熱帯低気圧の精度が良い気候再解析値を用いた.全球非構造格子で計算された水位の利用により,沿岸域の精度を保ちつつ外洋から沿岸域の極端水位をシームレスに評価した.観測値との比較検証により,潮汐と高潮を合わせた計算結果が良好な精度を持つことが確認された.推算された水位から全世界の海岸線で極端水位を計算した結果,西ヨーロッパ中部や中国東シナ海沿岸,オーストラリア北西部,アラスカ南岸,アメリカ東海岸北部において,再現期間10年で3.5m以上の極端水位が評価された.

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© 2022 公益社団法人 土木学会
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