土木学会論文集B2(海岸工学)
Online ISSN : 1883-8944
Print ISSN : 1884-2399
ISSN-L : 1883-8944
論文
診断的土砂輸送・地形変動モデルの開発と明石海峡周辺海域への適用
乳原 材内山 雄介小硲 大地
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 78 巻 2 号 p. I_451-I_456

詳細
抄録

 内湾における海底地形の形態変化および形成機構を定量的に評価するために,高解像度領域海洋循環モデルROMSによる流動シミュレーション結果を用いたオフライン計算による,多粒径土砂に対応した水深積分型の浮遊土砂輸送モデルと,掃流輸送・地形変動を事後的に算定する地形変動モデルを開発し,明石海峡周辺海域へ適用した.浮遊砂輸送モデルは土砂の平面的な移流分散特性を現実的に表現し,大規模地形の形態変化を評価する上で十分な再現性を有することを確認した.明石海峡周辺における流動構造は現況の海底地形の継続的な形成を促進するとともに,大規模な形態変化を引き起こしている可能性が高いことや,大規模砂堆は鹿ノ瀬と沖ノ瀬では底層流と土砂フラックスの収束特性や掃流輸送の寄与などの土砂輸送形態が異なり,大潮期強流イベント時に土砂輸送が強化されるなどの幾つかの重要な知見を得た.

著者関連情報
© 2022 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top