土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
干潟・アマモ場における食料供給の環境価値の推定方法
岡田 知也三戸 勇吾秋山 吉寛増田 孝文村岡 大祐山北 剛久桑江 朝比呂
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_973-I_978

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抄録

 造成した干潟・アマモ場における食料供給の環境価値の評価のため,水産資源の現存量から漁獲量を推定する方法を考案した.造成した干潟では,水産資源の現存量はあるものの,漁獲量はないことが多い.また,アマモ場の重要な機能である稚仔魚の育成機能は,漁獲量と結びつけて評価されていない.そこで,水産資源の現存量推定モデルを逆向きに算定することで漁獲量を推定した.手法の妥当性を,統計値等が得られている東京湾の干潟および博多湾のアマモ場を対象に検証した.干潟では,Schaeferのプロダクションモデルを用いて,アサリ等の二枚貝の現存量から漁獲量を推定した.アマモ場では,Virtual Population Analysisを用いて,アマモ場内の稚仔魚の現存量から,アマモ場外の漁獲量を推定した.これらの漁獲量の推定結果は,干潟では原単位法の0.7倍,統計値の1.8倍,アマモ場では統計値の0.4倍だった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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