土木学会論文集B2(海岸工学)
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論文
衛星SAR画像からの海岸線自動抽出の適用性と誤差要因の分析
渡邊 国広加藤 史訓佐野 滝雄
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2019 年 75 巻 2 号 p. I_1285-I_1290

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抄録

 国内の代表的な18海岸を対象に衛星SAR画像からの海岸線自動抽出を試行し,海岸線モニタリングにおける適用性を検証した.同じ海岸であっても画像によって抽出の成功率と精度は大きく異なり,観測時のオフナディア角が40度を超えると抽出が難しいこと,前浜を構成する砂礫の中央粒径が大きいほど抽出の成功率と精度が高くなることが確認された.富士海岸においては,実際の汀線から20mの範囲で陸寄りに抽出される傾向にあること,植生帯の前縁や消波ブロックが誤抽出される場合があることなどが確認された.波長が短いXバンドのSAR画像からの抽出を5海岸で実施したが,抽出精度の向上は軽微であり,波長の違いは海岸線の抽出にあまり影響を与えないことが示唆された.これらの結果を踏まえて,SAR画像を海岸線モニタリングに活用する際の留意点を整理した.

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© 2019 公益社団法人 土木学会
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