2022 年 78 巻 4 号 p. I_98-I_116
直交水平2成分の地震動波形の最大値指標(NS, EW),幾何平均GM,大きい方の値Larger,軸回転による最大値rot100を対象として,指標間比率の自然対数変換値が従う確率分布をモデル化した.(NS, EW),GM,Largerの3指標間の比率分布については正規分布を基本とし,rot100を分子とする比率分布についてはガンマ分布を基本としてモデル化した.K-NETの加速度波形とその時間積分による速度波形,および,5%減衰の線形一自由度系の応答波形を用いて,確率モデルが実データに適合することを示すとともに,分布の周期依存性について考察した.中央値rot50に関する修正モデルと,比率の分母・分子を入れ替えた場合の反転モデルを合わせて,全指標間の比率分布の確率モデルを体系化し,超過確率レベルを用いた指標変換を可能とした.