2022 年 78 巻 4 号 p. I_162-I_172
通信用管路の地震時の被害を事前に予測することが震災対策において重要となる.本稿では地震時の管路被害予測に機械学習により構築される予測モデルが有効であるか検証した.1995年兵庫県南部地震,2004年新潟県中越地震,2007年新潟県中越沖地震,2011年東北地方太平洋沖地震の4地震における管路点検結果と複数のパラメータを学習用データとしてモデルを構築した.このモデルは4地震の評価用データに対して十分な分類性能を持っており,いずれの地震に対しても被害を十分に予測できるものとなった.一方で予測モデルにとって未知の2016年熊本地震の被害の予測においては性能が低下したがPGVが高い管路被害を予測することができており,液状化履歴や断層の影響を加味する事で予測モデルの性能向上ができる可能性が得られた.