2019 年 75 巻 4 号 p. I_562-I_568
鉄道構造物のような線状構造物の場合には,断層上または断層近傍での構造物の建設が避けられないため,断層変位への体系立てた対策が必要不可欠である.そこで,鉄道構造物周辺でのせん断帯の発達過程や地表断層変位が構造物に作用する際の地盤と構造物の相互作用について個別要素法による検討を進めている.本論文では個別要素法の適用性を確認するために,縦ずれ断層を対象とした比較的大規模な模型実験を行い,試験結果について個別要素法を用いた再現解析を実施した.
その結果,個別要素法による数値解析から,鉄道構造物の有無による地表面の変形状況の違いを再現できたため,本手法の縦ずれ断層への適用性について確認することができた.今後本手法を用いて,縦ずれ断層に対する検討を深度化していく予定である.