2022 年 78 巻 2 号 p. I_589-I_594
深層混合処理工法によって地盤をセメント固化して,その固化処理土を岸壁の本体工(背後地盤の土留め)として利用する方法が提案・採用されている.本稿では,この岸壁の構造形式を一般化することを念頭に,岸壁構造が不安定化する地震時の挙動を調べた.具体的には,岸壁本体工の寸法や形状を変化させて,遠心模型実験によって岸壁の地震時挙動を系統的に調べた.その結果,岸壁本体工にはある程度の幅(本体工の高さ程度)を設け,非液状化層に着底させることが望ましいことを示した.また,Newmark法による岸壁本体工の滑動量の推定を通して,地震時安定性評価法の妥当性について示した.