本研究では，浚渫粘土に製鋼スラグを添加・混合したスラグ混合処理土（以下，改質土）の地盤内の強度特性を把握するために，低添加率の製鋼スラグを加えた比較的低強度の改質土を対象に圧密非排水三軸圧縮試験を行い，母材の粘性土の三軸圧縮特性と合わせて評価した．なお，これら改質土は粒度から粗粒土に分類されるものであった．
得られた特性は次の通りであった．i) 改質土の等方圧密特性として，通常の粘土の圧縮特性と同様に圧密降伏応力が存在した．ii) 各改質土の圧密圧力と破壊時の軸差応力の関係をそれぞれの圧密降伏応力で除すると，その関係は狭い領域に収束し，過圧密状態と正規圧密状態とで異なる勾配を持つ破壊線が描けた．iii) 正規圧密状態の改質土の破壊線は母材の粘性土のそれよりも上位に位置し，改良効果が確認できた．
