2021 年 77 巻 2 号 p. I_835-I_840
酒匂川河口の東2.5kmに流入する森戸川の河口沖には規模の大きな海底谷が発達し,海岸線近くまで深みが迫る.この海底谷の背後に広がる小田原海岸国府津・前川地区では近年侵食が著しい.そこでこれらの海岸を対象に空中写真を基にした2009~2020年の汀線変化解析を行い,さらに2005年以降の縦断形変化を調べた.その上でBGモデルを用いて海浜変形の再現を行い,砂浜維持に必要とされる養浜量について検討した.この結果,砂浜維持のためには国府津地区では2万m3/yr,前川地区では0.8万m3/yrの養浜が必要なことが分かった.