2020 年 76 巻 2 号 p. I_624-I_629
浚渫土は,転炉系製鋼スラグを混合することで固化する性質を持つが,固化しやすさは,浚渫土により大きく異なる.そのため,製鋼スラグ混合時に強度発現が安定的に起こる浚渫土を評価する方法が確立されていない.浚渫土と製鋼スラグの主な固化要因の一つに,浚渫土からのシリカと製鋼スラグからのカルシウムが水和反応によりC-S-Hを生成することがある.本研究では,粘性土の非晶質シリカ含有率が製鋼スラグ混合土の非排水せん断特性に与える影響を検討した.その結果,粘性土中の非晶質シリカ含有率が20%以下の範囲では含有率が高いほど,固化の影響により同一養生期間でのqmaxは大きくなること,混合土が固化している場合の破壊時の内部摩擦角φ0’resは,φ0’resは49~52度となることが分かった.