土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.35
高圧脱水固化処理装置で作製した浚渫土砂ブロックの長期強度
上野 和敬笠間 清伸中川 康之根木 貴史南 正治善 功企春日井 康夫片桐 雅明
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 2 号 p. I_845-I_850

詳細
抄録

 著者らは, 高圧脱水固化処理装置を製造し, 高含水比の浚渫土砂をブロックとして利用する技術開発を行っている. 本論文では, 2種類の浚渫土砂を用いて夏期と冬期の異なる時期に作製した浚渫土砂ブロックの長期強度について調査した. 得られた結論をまとめると以下のようになる. (1)浚渫土砂ブロックの含水比は, 夏期および冬期の作製時期および脱水棒の本数にもよらず,養生日数の経過に伴い養生1年経過で約15%程度減少する. (2)夏期に作製した宇部粘土ブロックの一軸圧縮強さは, 養生日数の経過によらず10MN/m2からほとんど変化しないが,冬期に作製した新門司沖粘土ブロックの一軸圧縮強さは養生日数の経過に伴い養生200日に9MN/m2まで増加し,その後ほぼ一定値となる. (3)浚渫土砂ブロックの一軸圧縮強さと水セメント重量比には,水セメント重量比が小さくなると一軸圧縮強さが急増するような関係性があり,その関係性は水中養生した浚渫土砂ブロックでより高い相関がみられた.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top