2017 年 73 巻 2 号 p. I_366-I_371
東北地方太平洋沖地震では海岸防潮堤よりも高い津波が襲来し越流したことにより盛土形式の防潮堤が多く崩壊した.それ以降,津波災害に対して粘り強く抵抗する防潮堤の構造が求められている.津波に対して粘り強い構造機能を有する防潮堤として,ジオシンセティックス補強土を用いた強化防潮堤が提案されてきた.防潮堤の内部構造を変えることやジオグリッド補強材の敷設により耐侵食性を向上させることができることが分かったが,補強材がどのようにしてその効果を発揮し,耐侵食性を向上させたかについては不明な点が多い.本研究では,ジオグリッド補強材を地盤の表面に敷設し,表面に流水を流すことで,流水に対する地盤材料の流出特性がどう変化するか検討した.その結果,ジオグリッドを表面に敷設することで地盤材料の流出が抑えられることが明らかとなった.