2012 年 68 巻 2 号 p. I_270-I_275
本研究は,「消波ブロック被覆上部斜面堤」を対象に,滑動安全率を各種変化させた場合の,ケーソンの滑動への影響を水理模型実験により検討したものである.その結果は次のとおりである.(1)不規則波1波毎の変位量は,同じ安全率でも大きく異なる.その要因は主に2つある.一つは,変位が生じる毎にケーソン後端のマウンド変形が進展し徐々に動きにくくなること,二つは1波毎に周期が異なることである.(2)実験結果を基に,累計変位量の推定図及び維持管理に活用できる消波工沈下率や滑動合成波力増大率の推定図を作成した.