2021 年 77 巻 5 号 p. I_31-I_37
丸太を打設した地盤(複合地盤)のせん断補強効果の検証のため,ここでは小型模型実験により検討を行った.本実験では,丸太打設の有無と,打設間隔の相違,および複合地盤に対する拘束圧の相違がせん断補強効果に与える影響について検討を行った.その結果,丸太の打設本数が増え,打設間隔が狭まることで上載する荷重が増加しても10mmの変形まで至らず,丸太打設時には100mmを超える大変形には至らない.丸太打設により,ねばり強さが増すことがわかった.実験時の側面からの地盤変形写真から,丸太の打設間隔が狭まることで,地盤の変形が抑制されて対策の効果が発揮されることが定性的に明らかになった.丸太による対策により,無対策と比べて極限の荷重が増加した.丸太を打設することにより,せん断変形時の地盤強度が大きくなることが示唆された.