2015 年 71 巻 1 号 p. 86-96
鋼床版の疲労によりデッキプレート等に発生する損傷対策として,下面からHPFRCCの吹付けとUリブ内のモルタル充塡を併用した鋼床版補強工法を開発した.下面からの補強であることから,既設橋へ適用する場合にはこれまでの上面からの補強工法と比べて交通への影響を小さくすることができる.工法の適用性確認のため,実橋梁を模擬した試験体に下面からHPFRCCを吹き付けて施工性の確認を行った.また,実橋梁と同様な構造の試験体を用いて輪荷重走行疲労試験を行い,FEM解析結果とも比較することで,下面補強によって発生応力度を低減できることを確認した.また,得られた結果より疲労に対する評価を行った結果,適用を想定した実橋梁において,供用期間中の疲労亀裂の発生を抑制できる可能性が示された.