2022 年 77 巻 5 号 p. I_777-I_786
整数計画法に基づく最適配置理論は,地理学分野やオペレーションズ・リサーチ分野を中心に活発な議論が行われている.本研究では,近隣需要と広域需要,あるいは平常時と災害時など,多様な利用者や機能展開を明示的に考慮したうえで,広域関東圏における「道の駅」多目的最適配置について評価を試みる.異なる需要想定や評価基準のトレードオフ関係を勘案しながらその配置傾向を比較することによって,現状における配置の妥当性の検証や,将来的な政策決定への視座を得ることを目的とする.2021 年現在,対象地域( 1 都 11 県)には 270 近くの「道の駅」が存在するが,その配置に偏りが生じており,整数計画法による求解結果と比較することは有用と考える.