2018 年 74 巻 5 号 p. I_101-I_107
低炭素化を進める上で,都市内の人口分布の集約による乗用車CO2排出量の削減効果が期待されている.そのため,地域の特徴を反映することのできる乗用車CO2排出量の評価手法が重要である.本研究では,3次メッシュ人口規模とメッシュ周辺人口集積度を考慮した地域タイプに基づき,一人あたり乗用車CO2排出量を推計する方法を検討した.その結果,コンパクト化による乗用車CO2排出量の削減可能性を定量的に明らかにしている.人口規模5千人から1万人になる際に,排出量が40%減少し,DID地域における乗用車CO2排出量の抑制効果が顕著であることを明らかにした.人口が少ない地域では,5×5メッシュの範囲内に500人を集めると,乗用車CO2排出量を約60%削減できる可能性のあることを示した.