2013 年 69 巻 5 号 p. I_67-I_74
東北太平洋沖地震及びそれに伴う津波発生により,東北地方,特に太平洋沿岸部の道路ネットワークのいたる箇所で通行止めが発生し,これに伴う多くの集落での孤立化が救急救援活動に多大な支障をきたした.このため,以前にも増して,道路のネットワーク信頼性の評価が重要となっている.
本研究では,まず,防災の観点から,道路ネットワークの信頼性評価の適用範囲を整理し,そこで求められる評価項目を選定し,この評価項目が算出可能となる連結信頼性の適用手法を提案した.さらに,岩手県及び高知市を対象に道路ネットワークの信頼性評価の試算を行い,実務での適用可能性の検証を行った.