土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第64巻
防潮堤背後の海岸林が津波越流形態と洗掘現象に与える影響に関する実験
佐藤 夏海飯村 耕介池田 裕一石橋 龍一
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 75 巻 2 号 p. I_721-I_726

詳細
抄録

 2011年の東北地方太平洋沖地震津波のようなレベル2津波に対して被害を最小限とするためには,防潮堤裏法尻部における洗掘を抑え,防潮堤が粘り強く耐える必要がある.そのためにはまず防潮堤を越流する津波の越流形態と洗掘の関係を明らかにする必要がある.本研究では,防潮堤と海岸林の多重防護対策に着目し,防潮堤背後に海岸林がある場合の越流形態について,越流水深や防潮堤の高さ,海岸林の規模等の条件を変えた固定床実験を行い,越流形態への影響を明らかにした.また越流形態ごとに移動床実験を行い,防潮堤裏法尻部の洗掘形状と越流形態の関係を明らかにした.越流水深が大きい場合でも防潮堤背後の海岸林の抵抗により越流形態を潜越流に遷移させることができれば,洗掘の発達を大きく抑えることができることが分かった.

著者関連情報
© 2019 公益社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top