2019 年 75 巻 2 号 p. I_43-I_48
水防活動は,治水事業に合わせて地域の洪水被害の軽減にとって極めて重要な対策であり,人的資源を考慮しつつ効果的に実施される必要がある.しかし,これまで水防活動はその地域性の強さもあり定量的な評価は行われてこなかった.そこで本研究では,水防活動を定量的に評価することを目的として,水防団が水防活動を実施する必要がある仕事量,それを実施するために必要な水防活動量,そして洪水のピークが当該地点まで到達するまでのリードタイムの3つの要素を考慮して水防活動の評価手法を構築し,この手法を用いて木曽川下流域を対象にシナリオに応じたシミュレーションを実施した.