土木学会論文集B1(水工学)
Online ISSN : 2185-467X
ISSN-L : 2185-467X
水工学論文集第62巻
熊本地震に起因して流出した土砂による白川河口干潟への影響
田井 明赤松 良久山本 浩一小森田 智大服部 敬太朗乾 隆帝二瓶 泰雄
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2018 年 74 巻 4 号 p. I_481-I_486

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抄録

 2016年4月の熊本地震により,白川流域では阿蘇地方を中心に土砂崩れが多発し,これらの土砂崩れにより多量の土砂・流木が河道に流入し,出水によって河道や白川河口干潟へと堆積した.そこで,熊本地震に起因する白川河口干潟への土砂堆積の影響を調査するために,(1)白川河道内の浮遊懸濁物質の通過量の算定,(2)白川河口干潟の地盤高の変化の測量,(3)アサリへの影響調査を実施した.その結果,熊本地震発生後は通常の年の10倍以上の土砂供給が生じており,その90%以上が地震後の最初の大規模出水で流下していたこと,干潟の地盤高は2016年の出水後に上昇し,その後,翌年の5月かけて下降していったが,2017年の出水で地盤高が再び上昇したこと,アサリの生息密度,肥満度ともに浮泥(赤土)の堆積により低落傾向となったこと,などが明らかになった.

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