2017 年 73 巻 4 号 p. I_1-I_6
降水量の観測記録を用いる場合には,外挿は,治水計画に必要となる極値統計解析で不可避であり,信頼できる推定結果を得るためには,記録長が十分でないという問題に直面する.実際のところ,現実の降水量記録への極値理論の適用の可否が十分に確認できかったり,また,漸近モデルの適用が不十分であると,確率降水量の推定にバイアスがかかることもある.本研究では,d4PDFの出力結果を用いて,極値の漸近理論の適用性の確認法や,多数のアンサンブル標本から得られる推定結果のまとめる手法を提示する.