土木学会論文集B1(水工学)
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和文論文
浅水流方程式と平衡流砂量式を基本とした河床変動計算モデルに関する検討
岩崎 理樹清水 康行木村 一郎
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2013 年 69 巻 3 号 p. 123-134

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抄録

 本研究では,浅水流方程式と平衡掃流砂量式を基本とした河床変動モデルの特性と安定性について,微小な河床擾乱の伝搬計算を通じて検討を行った.方程式系を線形化することで,河床擾乱の伝搬を示す双曲型微分方程式を導出し,河床擾乱の伝搬特性について明らかにした.この時,平衡流砂量式の枠組みでモデル化される流砂量に対する局所勾配の影響は河床擾乱を拡散させる作用を持つ.双曲型方程式を安定的に計算する条件であるPéclet数が2以下となる条件を満たすように格子幅を設定すれば,流砂量の空間微分に対して風上化を導入せずとも,方程式が持つ不安定性を合理的に散逸させつつ,安定的な河床変動計算を実行できることを示した.

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© 2013 公益社団法人 土木学会
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